行政書士試験の合格率10%前後は、あなたにとって真実ではない

あなたは、本気で合格するつもりですから当然、行政書士試験の合格率がどの程度なのかは知っていることと思います。

一般的に言われている合格率と、私が実際に試験を受けて感じたことには、それほど小さくない「ズレ」があります。

いろいろ考えているうちに、私の考えはきっとあなたにとっての真実に近いのではないかと思うに至りました。

合格率10%前後というのは、あなたにとって真実とは言えないのではないでしょうか。

行政書士試験の合格率はなぜ低いのか

平成15年から30年までの推移は下のグラフのとおりです。

この期間の平均合格率は、8.34%
最近5年間の合格率の平均は、11.9%
グラフを見ても年々上昇傾向にあるように見えます。

とはいうものの、合格率12%は低いですよね。
100人中12人、10人中1.2人つまり、8.3人に1人しか合格しません。
私は今までの人生でこんなに合格率の低い試験を受けたことはありませんでした。

他の試験と比較してみると、平成30年の結果は下の表のとおりです。


平成30年合格率
行政書士12.7%
司法試験29.1%
税理士15.3%
公認会計士11.1%
土地家屋調査士9.5%
弁理士7.2%
社会保険労務士6.3%
司法書士4.3%

司法試験は高めですが、そもそも誰でも受けれるわけではありませんし、あまり比較にはならないですね。
行政書士と同じく、受験資格のない、誰でも受験できる試験(赤線)で比較すると、最も低い合格率は司法書士、最も高いのが行政書士です。 この数字だけで単純比較するのはどうかと思いますが、一般的に行政書士試験は上の表にある試験の中では、簡単、と言われています。

行政書士試験の合格率は低くない

一般的に簡単といわれている行政書士試験ですが、簡単なのになぜ合格率がこんなに低いのでしょうか。

以下、私の経験にちょっとお付き合いください。

試験当日、試験会場に入ると、バカでかい体育館のような試験会場でした。
900番台までの席が用意されており、
「こんな大勢の中で合格できるのか」
と不安になりました。
しかし、試験が始まる時間が近づいても、ぱっと見、2割程度の空席が見て取れました。
「あれ、こんなに受けない人がいるのか」
と意外な感じがして、私の席の周りを見渡してみました。
そうすると、行政書士試験の合格率が低い理由がなんとなくわかったような気がしました。

なので、私はもう合格率が低いということにおびえることなく、平常心で試験を受けることができました。
私が感じた行政書士の合格率が低い理由は、受験生の中に「本気の人が少ない」からということです。
もう一つは、一般的に簡単といわれているからです。

よく、行政書士は誰でも受けれるから、そもそも合格できる見込みのない人まで受験するので合格率が低い、ということを聞いたことはあります。

しかし、誰でも受けれるから、という理由であれば、司法書士も弁理士もおなじはずです。

試験会場で私の周りの人を観察するしてみると、下記のような人たちがいました。

・悪びれもせず、時間に遅れる人
・説明員の話を聞いてない人(緊張しているという風でもない)
・年配過ぎる
・若すぎる
・緊張感のまるでない人

こういう人たちの受験の目的は、
・思い出作り
・資格マニア
・司法試験等の難関試験の小手調べ
・現在の仕事に生かすため
・転職に生かすため(履歴書に書きたい)

と言ったところでしょうか。

こういう方々は、このブログで言うところの本気の人ではありません。
本気で合格して、行政書士として開業しようという人ではありません。

また、難関試験の小手調べの学生さんなどが合格率を上げているという話も聞きますが、果たしてそうでしょうか。
ちなみに私の後ろの席はいかにも学生風の若者でしたが、合格発表に私の次の番号は乗っていませんでした。

こういう方々を除いた本気の人だけの合格率は、どの程度になるでしょうか。
私の試算(独断と偏見)では、20%を超えます

本気の人の合格率はずっと高い

例えば、平成29年度の行政書士試験の合格書数は6,360名でした。
そして、平成30年の行政書士会に新規登録した人の人数は、2,611名でした。

実際には、新規登録者の方は、前年度の合格者だけではないのですが、前年度の合格者だけと仮定した場合、行政書士合格書の内、約40%が行政書士会に新規登録する、行政書士として仕事をする、ということになります。

すなわち、合格者の40%が本気で、60%はそれ以外の人、ということになります。(と考えます)

それでは、不合格者の内、本気の人の割合は何%ぐらいでしょうか。
合格者と同じく40%とは考えられません。
それよりもずっと低いはずです。

これは推測しかできませんが、私が実際に試験会場で感じたことから推測すると、受験者全体で約2割が本気、8割がそれ以外、です。

最近の平均合格率12%とすると、そのうち40%が本気です。つまり、
合格者のうち本気の人:12%×40%=4.8%

受験者全体のうち、本気の人の割合は、20%とすると、本気の人の合格率は下のようになります。本気の人の合格率=4.8÷20=24%

はい、合格率24%です。2倍ですね。

行政書士試験の予備校のうち、1校だけが合格率を公表することがありますが、それは全体の合格理の2倍以上、というのを見たことがあります。

私の理解では、予備校に通うような方は、おそらくほぼ本気の人なので、合格率が高い、ということを示しており、予備校の優位性を示しているわけではないということです。

あなたは本気ですから、本気の方のみの合格率20%以上に当てはまります。
どうですか、少しは気が楽になりましたか。

結局、合格できるかどうかは、あなたが本気かどうかであり、試験本番まで、努力を継続できるかどうかにかかっています。
独学か、予備校か、などは関係ありません。

本気であれば、合格率は20%を超えています。